■柿について
カキノキ科カキ属の落葉樹で、東アジア原産の同地域固有種。
日本や韓国、中国に多くの在来品種があり、特に中国・長江流域に自生しています。
縄文時代の遺跡から柿の種が発掘されている事から、日本での柿の歴史はとても深く、また、日本から世界に流通もされているので「KAKI」として世界中に知られています。
本格的な旬は10月からです。
■柿の種類
柿の種類は1000種類を超えるとも言われるほどなんですが、ざっくりと分類すると
・甘柿…渋みが殆どなく甘味が強いもの。
・渋柿…渋みに特徴があり、渋抜きしてから出荷されます
・不完全甘柿…種の量が多いと渋みが抜け甘味を感じる柿
の3タイプ。
■岐阜の柿
一般的に流通しているのがお馴染みの甘柿なのですが、その中で岐阜の富有柿は「発祥の地」と言われているほど生産が盛んな地域です。
中でも本巣市・瑞穂市・揖斐郡(いびぐん)は、岐阜の中でも特に生産が盛んです。
今回届いたのは、大野町の太秋柿(たいしゅうがき)と、本巣市の早秋柿(そうしゅうがき)の2種類です。
■サクサク食感の太秋柿 ~ 条紋は美味しさの印
富有柿をベースして生まれた完全甘柿品種で、1994年に品種登録されている比較的近年のもの。
大きさは平気380g前後と大玉傾向で、表皮には「条紋」という黒い(または白い)円状のすじが現れるのが特徴です。
この紋が出て居る部位は他の部位に比べて糖度が高いと言うデータもあるとの事。
一瞬、傷があって痛んでるのかしら?と思うかもしれませんが、
この筋を見つけたら「美味しい印!」
なので超ラッキー!と言うお話なので安心して召し上がって下さいね。
そして、果肉は他の柿に比べると梨の様に「サクサク」とした食感が特徴です。
柿の食感は好みが色々とあるかなと思うのですが、私はどちらかというと熟す前のちょっと固めが好きなので、このサクサク食感はとても好きでした。
また、そのまま頂くのも良いのですが、サラダなどにすると食感が活かせて良かったですよ。
サラダレシピは次の投稿で紹介いたしますね。
■ジューシー果汁が特徴の早秋柿
早秋柿は9月下旬から収獲出来る早生柿で、大きさは300g前後のものが主流です。
色は熟すと鮮やかな濃いオレンジ色で、糖度も高くジューシーで甘味の強さが特徴です。
届いたこの時点ではまだ熟すちょっと前ということで、食感は私の好きなやや固めではありますが、果肉のジューシーさがありました。
こちらもこの時点ではサラダにも向いておりますが、私はこのタイプは
天ぷらで頂くのが大好き!
と言う事で天ぷらにしているのですが、どれが何やら分かりませんよね(汗
写真の右方向に柿の天ぷらがあります。
こちらもまた別途紹介いたしますね。
そして、太秋柿と食べ比べてみるとそれぞれの特徴がよく分かりました。
太秋柿は、なるほどサクサクしています。
熟す前の硬い食感とはまた違って「サクサク」なんです。梨とか林檎のしゃくしゃくした感じに似ています。
柿なんだけど知ってる柿の食感じゃないんです。これはちょっと面白い。というか
好き♡
そして早秋柿は熟すちょっと前ですが、熟すと果肉が柔らかくなってくるのね、というのが予感出来る食感。
これは追熟させていくのが楽しみ!
■柿の栄養価 ~ 天然のマルチビタミン
柿が赤くなれば医者が青くなるとことわざにもある様に、柿はその効能なども古くから注目を浴びているほど、栄養の宝庫!
便秘の改善や二日酔いにも良いと言われる柿は、特にビタミンCやβカロテンなどの抗酸化作用をもつビタミンが豊富です。
柿1個に含まれるビタミンCは100mgほどあり、大人の1日の摂取量の目安と同じだけ含まれています。
βカロテンは強い抗酸化作用を持ちビタミンCと同時摂食で相乗作用が起こり肌荒れなどに効果的なんです。
その他、整腸作用のあるペクチンや、悪玉コレステロールを減らしてくれるタンニン、高血圧や浮腫など成人病の予防に効果的なカリウムなどが含まれています。
干し柿になると、生柿の時より「糖分は4倍」「ビタミンAは2倍近く」と栄養価がぐっと上昇します。
まさに天然のマルチビタミンという事で、お医者様も青くなっちゃう訳ですね。
■中医学・薬膳から見た柿のお話 ~ 余す所なく活用される柿
生成津は体の熱を取る「寒性」に属しており、のどを潤すほか利尿作用や、胃腸を丈夫にしてくれるほか、熟した柿は「解酒」といってアルコールの分解を行ってくれます。(二日酔いにどうぞ♪)
また柿は生薬として様々な形で利用されており
柿のヘタは柿蒂(してい)
果実の干したものは柿餅 (しへい)
柿のシブを柿漆(ししつ)
と呼び、ヘタは咳止めや止血、葉は高血圧症、動脈硬化症等、成人病の予防などに用いられています。
また表面につく白い粉(柿霜=しそう)は、粘膜をうるおし、せきを止め、たんを取り除く作用がああり、慢性の気管支炎や肺結核の予防に有効です。
ただし、冷やす性質があるので、胃腸が弱っている場合や、空腹時、小児、高齢者、下痢気味の方、妊娠中は食べ過ぎに注意です。
効能ではありませんが柿の木も木材として緻密で堅さがあるのでお茶の道具をはじめ、様々な利用がされています。
■焼き柿のススメ ~ 焼くと栄養価がアップ!
柿は焼く事で栄養素のGABAが3倍になります。
また、血流を促進する働きのある「シトルリン」という栄養価も増えますので、オーブントースターなどで焼いて食べるのもお勧めです。
特に、柿は体を冷やす性質の高い果物なので冷たいままよりは焼く事でその作用をゆるやかにする事が出来ます。
今回の柿はこの様な焼き菓子にしてみました。
こちらもまた別途レシピを紹介いたしますね。
■柿の保存 ~ シャキシャキ食感を長持ちさせる方法
柿の保存方法ですが、基本は涼しい所で直射日光が当たっていなければ1週間程度の保存は可能ですが、やはり冷蔵庫での保存がお勧めです。
ところで、皆さんは
早く熟させたいですか?
シャキシャキ食感を長く楽しみたいですか?
実はどっちがお好みかで保存方法は変わってきます。
私はちょっと固め食感が好きという事もあり、柿が沢山あるとき(ってそんなに機会がないのですが)この方法を取っています。
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