個人的にも昆布の販売と普及に励んでいる次第です
年末のお手伝いに伺っているお店「山崎屋」さんです。
ここでのお手伝いを通して、お客様からの声を直にお聞き出来るのが何よりも勉強にもなっているのですが、この3年間必ずといって聞かれるのが
どの昆布が一番濃い出汁(だし)が出る?
と言う質問なんです。
そんな昆布とは一体どういう植物なの?って話があるのですが、昆布は海で生活する藻類のことで、胞子によって繁殖します。
食用として口にしている昆布は2年かけて成長したもので、収獲(昆布漁)は7月~8月頃に行われます。
北海道の日高地区に昆布漁の見学に行った時の様子が↓こちらにありますので、合わせてご覧下さいませ。
下の昆布は、右上から時計回りに「真昆布」「日高昆布」「利尻昆布」「羅臼昆布」の4種類。
日本の昆布の約90%は北海道全域で、その他は 東北(青森県、岩手県、宮城県)の三陸海岸沿い採れます。
そして、採れる場所によって昆布の種類が異なっており、それぞれ地域の名前がついています。
今回の4種類はざっくりとこんな感じです。
■真昆布
産地:函館沿岸
特徴:厚みがあり幅が広い、上品な甘味と清楚なだしがとれる。大阪で使われる事が多い。
用途:だし、佃煮、塩昆布など
■利尻昆布
産地:利尻、礼文、稚内沿岸
特徴:真昆布よりやや固め、昆布の中では透明感が高いので京料理(懐石・会席料理)に用いられる。
用途:だし、湯豆腐、塩昆布
■羅臼昆布
産地:羅臼沿岸
特徴:茶褐色で羅臼オニコンブの別称があり、香りがよくやわらかく黄色味を帯びた濃厚でこくのある高級だしがとれます。
用途:だし、佃煮、おやつ昆布
■日高昆布
産地:日高沿岸
特徴:三石昆布とも呼ばれる。濃い緑に黒味を帯びている。柔らかく煮えやすい。だしにも使われます。
用途:佃煮、昆布巻き、おでん、だし
昆布は形状もそれぞれの種類で異なりますが、水色(すいしょく・だしの色)も昆布によって異なります。
画像など含めてより詳しい情報は日本昆布協会のサイト「こんぶネット」でご覧頂けます♪
と昆布の種類をざっくり紹介した所で、
どの昆布がだしが良く出るんだ問題
一袋300円の昆布と2000円の昆布では、何が一体違うんだって話にもなりますし、昆布のブランド(産地)で何が違うの?って話にもなってきます。
実は「濃いだしが出る昆布」と言う意味では、
どの種類の昆布が濃いというのはありません。
ただ、昆布の種類で風味に違いはありますし、昆布のコンディションや部位で出汁(だし)の出方は異なります。
それぞれの特徴・使い分けがあるので昆布の種類によって「どれがよく出るのかどうか」ではないんですよね。
また、水出しなのか煮出したのかでも風味や香りも異なってくるので、講座では色々な昆布だしの味比べを行っている事もあって「どれが好き?」と言うお話に着地していきます。
昆布のお話はそれだけで専門のブログやサイトが完成されてしまうほど、なかなか奥深く面白いお話が多いです。
私が昆布大使になったのもそんな魅力溢れる昆布に心奪われたからとも言えるのですが、何よりも
昆布は料理のジャンルを選ばない旨味の種類
と言う素晴らしさがあります。
和食だけでなく、中華に洋食、エスニックにカレーにイタリアン…世界中の料理に昆布は馴染む旨味(グルタミン酸)を持っています。
だし(出汁)として、そして昆布という食材としてとても素晴らしい素材であると思います。
今回は昆布大使がリレー形式でブログやSNSを使って、だしを取った後の昆布の活用法を紹介していきます。
いわゆる「だしがら」と呼ばれがちな「だしを取った後の素材」ですが、私はこのだしを取った後の昆布の事を
お名残昆布
(おなごりこんぶ、なごりこぶ)
と呼んでいます。
また、昆布を調理したいから昆布を戻して使うという形でも昆布を活用しています。
つまり
昆布は食べものなんです
と、そういうお話でして、皆さんにも出汁を取るだけではなく昆布を美味しく召し上がって貰いたいなぁと、そんな風に思っております。
次回、次々回でそんな昆布を使ったお手軽レシピを紹介しますね。
↓これまでにブログに登場している昆布のあれこれは下記よりお入り頂けます。