■ほうれん草(ホウレンソウ・菠薐草)について
原産国はペルシャ地方で、アカザ科ホウレンソウ属の野菜です。
日本には江戸時代の初めに伝わったとされます。
■品種について
品種は
・東洋種…葉の切れ込みが深くて尖った形、アクが少ないのが特徴(お浸しやサラダに)
・西洋種…葉は丸みを帯びており少し厚みがあります。アクが強いのでソテーなどで付け合わせに。
・交雑種…東洋種と西洋種の良いとこ取りをしたタイプで、現在市場に出回っている大半が交雑種。
この3つと、冬だけ路地栽培されて出回る「寒締めちぢみほうれん草」や生で美味しく頂ける様に改良された「サラダほうれん草」などがあります。
■飛騨ほうれんそうのここがすごい!
昭和30年代に飛騨地域でほうれん草の栽培が始まりました。
40年代には「雨よけハウス」が開発され、本格的に生産が始まります。
その後、鮮度保持フィルムや真空予冷施設の導入などで夏場の暑さによる品質低下を見事克服、現在では全国屈指のほうれん草産地として育っています。
また、高品質なほうれん草の栽培を行うため、化学合成農薬の使用削減などに取り組んでいます。
この結果、従来の栽培より化学肥料と化学合成農薬を30%作源する事ができ「ぎふクリーン農業」を取得するに至りました。
■ほうれん草の選び方
緑の葉が濃く鮮やかでシャキっと元気で葉に厚みのあるもの、根の付け根がふっくらしているものが美味しいです。
冷蔵庫で保存する際は根の部分を下にして立てていれておく様にすると茎が曲がりにくく、日持ちも良いです。
■ほうれん草の栄養価
ほうれん草はビタミン・ミネラルが豊富で栄養かの高い緑黄色野菜です。
抗発ガン作用でも知られる「βカロテン」を多く含んでいいます。
油と合わせる事で効率よく栄養価の吸収が行われます。
ほうれん草ひと束(一袋:200g程度)あたりの糖質が0.4gと低糖質でカロリーも3.6kcalと低カロリーなのも魅力的な野菜です。
■中医学・薬膳視点から見たほうれん草
五臓の働きを良くし血の巡りに働きかけてくれます。
調を潤してお通じを良くしてくれます。
「涼性」の食品である事から体の余分な熱を取ってくれます。
この他、不眠や精神不安、酒酔いなどにも適応しています。
■下ごしらえ
アク(シュウ酸)を取り除くため茹でて食べるのが一般的です。
茹でる場合は、予めたっぷりのお湯で湯がき水にさらす事でシュウ酸を取り除く事が出来ます。
アクの少ないものや生食しやすいサラダほうれん草はそのままでも大丈夫です。
■洗い方
1.ほうれん草は洗って根の先が汚れていたりヒゲが出ている様なら少し切り落としておきます。
2.ほうれん草の根の部分に十字の切り込みを入れます。
※これにより洗った時に付け根の泥が落ちやすくなります。
縦にも切れ目を入れて十字にします。 3.ため水の中で根本をしっかりと洗って土などを綺麗に落として洗い終わり。
■基本の茹で方
青菜を茹でる時は色落ちを防ぐため「塩を加えたお湯で茹でる」と言うのが一般的です。
また茹ですぎぎない事もポイントになります。
用意するもの
ほうれんそう:茹でたいだけ
ゆで水:ほうれん草の重量の5倍量
塩:水に対して1%の量(1リットルに対して小さじ山盛り1杯ぐらいを目安に)
1.ほうれん草は十字の切り込みを入れ洗っておきます。(洗い方は上記参照)
2.たっぷりのゆで水を涌かし、葉の部分を持って茎を先に湯につけて先に20秒程度ゆでます。
3.茎がしんなりしてきたら、全体を鍋に落として箸でほうれん草を沈めます。
4.ほうれん草が沈んだら上下を入れ替えてすぐに冷水に引き上げます。
5.水気を軽く絞ってザルに上げておきます。
※この時にあまりぎゅうぎゅうと絞りすぎないようにします。(繊維が潰れてしまうので)
茹で時間の目安ですが、すぐ食べるという事であれば根本を湯に浸すところから引き上げるまでの所要時間は1分程度。
冷凍保存目安の下茹でであればもう少し短めに(私は30秒程度です)します。
ここまでが下ごしらえ(基本の茹で方)です。
■冷凍保存方法とポイント
茹でたほうれん草は冷凍にしておいて使う事が出来ます。
茹でほうれん草を冷凍にする時の最大のポイントが
茹でた後、絞りすぎない事
これに尽きるんです。
ついつい冷凍にするからと、ぎゅうぎゅう絞ってしまいがちなんですが、これによって繊維が潰れてしまって食感が悪くなってしまいます。
「軽く絞る」と言う表現のその「軽さ」の目安ですが
赤ちゃんの手をにぎる様に
と言うぐらいの優しさでお願いいたします。
自家製冷食を作る時は、とにかく水気を切って!と言う私ですがこれに関しては繊維を潰さない事を大前提にやさしく扱ってあげてください。
かる~く絞ってザル上げしておくとその間にも水は落ちていきますので、しばらくこの状態で置いておくと良いですよ。
茎の所は水分が多い場所ですがここもかるーくお願いします。
後はひと株ずつラップで巻いて
冷凍します。
使う時は使う分ずつ出して、自然解凍(ラップが外れる程度)し、好きな大きさにカットします。
カットしてから余分な水気をぎゅっと絞って、他の味を付けて下さいね。
私はほうれん草の冷凍はひと株ずつこの方法なんですが、カットしてから冷凍というのももちろんアリです。
市販の冷凍ほうれん草はカットしてバラバラになったものが売られているので、使い勝手はバラバラの方が少量使えて便利!と言うのがあります。
これを作る時は、水切りはそこそこ行っておいた方が良いのですが茹でた後にぎゅうぎゅう絞ると繊維質が壊れてしまい食感が悪くなるので、
1.軽く絞ってからカット
2.水切り器に入れて水を切る
という形で行い、バットに広げて並べて1度凍らせてから保存袋などに入れ直す。
と言う形が理想的なんですが… 広げて並べての面積が半端じゃないので少量であればともかく量が多いとなるとなかなか大変ですので、私はほうれん草に関してはひと株ごとの方式にしています。
ま、1回1株食べるって事にしておけば、根本の栄養も葉の栄養もまんべんなく摂れますしね♥
そんな茹でたり冷凍したほうれん草の食べ方は↓でございます。
■食べ方
ゆでたほうれん草はお浸しやサラダやたまごとじなど色々な料理に使う事が出来る他、
ピュレ状にしてスープやカレーなどに使う事も出来ます。
下の写真はほうれん草のピュレをカレーに加えて、サグカレー(青菜カレー)を作っている所です。
また、ピュレや細かく刻んだものはパン生地に練り込んで使う事も出来ますし、
挽肉との相性も抜群なので、刻んだほうれん草をハンバーグやミートボール、餃子、ミートソースなどに使うのもお勧めです。
もちろん炒飯や混ぜご飯にもお勧めです♪
低カロリーな野菜なので、ご飯に混ぜ込んでカサ増しご飯にするのもお勧めですよ。
■簡単レシピ
今回の飛騨ほうれんそうは葉の厚みが結構しっかりしていて味も美味しいのですが、何よりも
アクが少ない
と言うのが嬉しかったんです。
アクが少ないと言う事は、そのまま炒めても食べやすいと言う事になるので、調理的にはとても楽ちん。
と言う事で最後はほうれん草を炒める時の美味しさポイントなどと共に炒めほうれん草の胡麻和えのご紹介です。
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