■春菊について
春菊(シュンギク)はキク科キク属の植物で、食用にするのは若い葉の部分と茎です。
関西では「菊菜(キクナ)」とも呼ばれて親しまれています。
■春菊の品種
葉の大きさによって「大葉」「中葉」「小葉」の3種類に分けられており、もっとも多く栽培されているのが「中葉」です。
また「株タイプ」「枝タイプ」と分かれていてビジュアルは下記写真の通り。
左が株タイプ・右が枝タイプ
株タイプはほうれん草と同じ様に1つの軸からいくつかの茎が伸びたもので、関西だとよく見かけるビジュアルで「関西型」とも呼ばれています。
枝タイプは、その名の通り1本の枝から葉が伸びているタイプです。
こちらは主に関東に出荷されており「関東型」とも呼ばれています。
今回届いたのは「枝タイプ」です。
最近、関西でもこの枝タイプを見かける様になっていますが、やはり主流は株タイプが軍配が上がっています。
私は枝タイプの春菊の「枝(茎・軸)」の部分がとっても好きなので、今回枝タイプが届いて小躍りしておりました♪
この他、アクが少なくそのまま生で使いやすい「サラダ春菊」なんて言うものもあり、飛騨では「きっくーな」と言う可愛い名前のサラダ春菊が栽培されています。
■春菊の栄養
春菊は緑黄色野菜で豊富なカロテンを含んでいます。
この他、ビタミンC、カルシウム、鉄、葉酸、クロロフィル等が含まれており、春菊特有の香り成分は「ペリルアルデヒド」と言い、胃腸の調子を整えたり自律神経に作用したり咳を沈める効果を持っています。
■中医学・薬膳から見た春菊
春菊は別名「食べる風邪薬」とも呼ばれるほど、様々な効能を持っています。
独特の香り(ペリルアルデヒド)は気の巡りを良くしてくれるので、ストレスを緩和したり胃腸の働きをととのえてくれます。鎮咳(咳を沈める)効果もあります。
また美肌効果(ビタミン)も期待出来る嬉しいお野菜です。
■食べ方
鍋物やすき焼きなどに使う鍋野菜代表格とも言える春菊は、さっと茹でてお浸しや和え物で頂く他、葉先の柔らかい部分などは生でそのままサラダにも。
また、緑黄色野菜は油と共に摂るとβカロテンの吸収率もアップします。
炒め物の他、天ぷらなども美味しい食べ方です。
と、ここまでが春菊のプロフィール的なお話でした。
ここからは美味しく食べるための春菊下ごしらえをご紹介していきますね。
■シャキっとさせる裏技 ~ 温水を使う
春菊を買ってきたらしんなりしていた…と言う経験はありませんか?
買って来たそのままを冷蔵庫に入れていたりするとあっと言う間にしんなりしてしまいます。
適度な水分が必要なので新聞紙でくるんで保湿状態にして冷蔵庫に入れる、など推奨されますが既にくたっとしている春菊をすぐにシャキっとさせたい!と言う時は
温水を利用して下さい
キク科の植物は温水を吸い上げやすい性質をしているので、冷水よりも短時間でシャキっとさせる事が出来ます。
温度的に体温ぐらい(36度前後)ぐらいのお湯に茎の部分を写真の様につけておくだけです。
この時点では葉は浸けなくて大丈夫です。
50度洗いもシャキっとなりますが、葉のコンディションによっては逆に熱が入りすぎてしまってしんなりしてしまうので、35度ぐらいのお湯で茎を浸す方法がオススメです。
水を吸い上げてシャキっとしたら全体を水荒いして水気を取れば洗いは完了です。
■春菊の切り方(枝タイプ)
株タイプの春菊は茎の部分が細めなのでそのままざくざくと切っても食べやすいのですが、枝タイプの場合は枝の太さによっては切り方を調整する事で、より美味しく頂けます。
まず上の方の葉先部分をハサミなどでカットします。
この上の部分は小さめの葉が密集していて、鍋物やサラダに使いやすい部位なのでカットしたこのまま鍋の具材にセットする事が出来ます。
鍋の時はまとまっている方が鍋の中で散らばらず頂けるので、私はこの状態で使っています。
大きすぎる場合は縦半分にカットするなどしますが、まぁ、鍋の中でさっと茹でるとこの程度はあっと言う間に小さくなるので大丈夫です。
このまま「今日は鍋!」な日はすぐ食べますが、大量にある時やすぐ食べない時は、水切り器でしっかりと水を切って
やや深さのあるタッパなどに茎が下になるように立てて並べて入れて蓋をして野菜室で保存します。
タッパの下にはキッチンペーパーを敷いています。
もちろん保存袋などに入れてもOKですよ。
続いて茎の部分です。
今回の茎は何とも立派な茎でしたので、これはこれで美味しく頂けるのでさらに葉と茎を別々に切り分けました。
春菊の葉は生でも美味しく頂けますし、加熱ももちろんOKなんですが、あっと言う間に火が通ってしまいます。
なので調理用途によっては茎を分けておく方が何かと使いやすくなるんです。
そしてこちらもそれぞれしっかり水切りをしておきます。
すぐに調理しない場合は保存袋に入れて野菜室へ。
ここまでが切り方と下処理です。
下処理済みの春菊達はこの状態で2~3日はシャキっとしたまま保たれますが、早めに食べる事をお勧めします。
■春菊の冷凍保存
葉野菜を冷凍する時は、さっと茹でて冷凍…が一般的じゃないかと思いますが、春菊の様な葉の繊細な野菜は、もはや大葉やハーブと同じ扱いで考えてOKなので
生のまま冷凍を推奨
いたします。
とはいっても、買って来た春菊を洗う事もなくそのまま冷凍庫にボンと放り込むなどは言語道断て話になるので、上記の下処理は必要がになります。
株タイプは洗って水気を切ってからひと株ずつ冷凍にしておくか、ざく切りにして冷凍にします。
この時水を切りまくっておく事だけが大きなポイントです。
そして今回の枝タイプは、枝(茎)の部分の太さがあるので、枝も葉も一緒に冷凍にすると後で使いにくくなるので、枝と葉は分けて冷凍にする方が後から使いやすいです。
その場合、枝(茎)は斜めに切るなどして後で使いやすい様にしておきます。
後は保存袋に入れて冷凍庫へ
葉の部分の冷凍ポイントは、水をしっかり切った上で1袋に入れる量を1回分使い切りにしておく事。
おみそ汁用途でも良いですし、和え物などでも。
頂く時は自然解凍でしんなりするので、茹でる必要はありません。(栄養価も逃しません)
汁物やスープに入れる時は一番最後に入れて下さいね。
煮込む必要はありません。(温度が下がった場合は温めて下さいね。)
生で食べるのも好きなんですが、私はこの冷凍にしておいた葉の部分をさっとお浸しで頂くのが大好きなんです。
春菊といえば鍋具材に使われる事が多いので、ポン酢との相性も良いという話になりますが、お浸しもポン酢を使ったものがお気に入りなんです。
最後に、冷凍春菊(の葉)を使ったお浸しの作り方をご紹介しますね。
お浸しというか、浸さない「洗う」だけの食べ方です。
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